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産業医と医師の違いをわかりやすく|役割や雇用形態について

産業医と医者の違いとは? 企業に勤める従業員のストレス度合いを明瞭化する目的で調査が行われているのはご存じでしょうか?あまりピンとこない方は「ストレスチェック」という言葉の方がなじみ深いかもしれません。 ストレスチェックなどをはじめ、会社に勤める労働者の健康状態を守る医者のことを「産業医」と呼びます。労働衛生コンサルタントの資格所持など、一定の基準をクリアした人のみが産業医として活動できます。 産業医の仕事は一般の病院に勤務する医師と異なります。具体的にはどのような部分が異なるのでしょうか? 今回は産業医と主治医の違いについて解説します。また、産業医を選任することで得られるメリットについて知っておきましょう。

産業医は医者とは違うの?

「産業医」という医師は通常の医師とは異なることはご存じでしょうか?同じ医師ですが、その仕事や活動場所などは全く異なります。 ●主治医 主治医とは、病院にて勤務する一般的な医師のことです。個人病院から大規模な病院に勤務する人全般をさします。医師法という法律に定まっていることを守りつつ、身体や精神に不調があると周りの人や本人からの申請で診察します。症状や状態などを診断書という形で制作して行くのが主な流れです。 医師は患者の状態が改善されるまで、医者と患者間で契約を行っています。そのため、患者の健康状態の改善を最優先にアクションを起こします。 ●産業医 産業医とは、企業の社員の健康状態を守る医師のことをさします。そのため企業に勤めてない人からの個人的な病気などの診断・治療は行いません。産業医は契約を結んだ事業主のところに赴くか、専属の産業医として従事する人のことを言います。企業の労働時間や労働環境などを考慮しつつ、従業員の精神状態や体調を面談(面接)を通して知り、意見書を作成します。また、従業員が仕事できる状態であるかの判断も行い、休職復職判断を行います。 従業員とは直接契約を結んでおらず、あくまでも雇用主は事業主との契約になるため、従業員と事業者に対して中立になります。そのため、産業医と面談した内容は企業に伝えられます。 また、主治医は医師法にそって判断を行いますが、産業医は労働安全衛生法や労働基準法に従うのが大きく異なる点です。

産業医の仕事

産業医の仕事 産業医と医師の違いは上記で紹介した通りですが、具体的にはどのような業務を行っているのでしょうか? 産業医には主に2つの雇用形態が存在します。その雇用方法によって大きく異なるのです。 ●専属産業医 専属産業医は、企業に働く人が常に1000人(特殊な事業場の場合は500人)を越えるときに選任をしなくてはならないのが専属産業医です。企業との専属契約を行っているため他の企業とは契約を行わず、契約内容に従って労働するのが特徴です。 週に3日~4日ほど勤務して、ストレスチェックの実施や、就業者の健康管理を促します。 専属であるため、その企業に対して深い知識と理解が得られるほか、在籍時間が長いため親しみやすくなります。 ●嘱託産業医 嘱託産業医は、企業に常にいるのではなく、必要な時にその都度派遣される産業医のことを言います。 産業医は労働者が常に50名以上の場合選任しなくてはいけませんが、3000名以下の場合は嘱託産業医を選任してもよいことになっています。 事業場の常時いる人数が少ない場合は産業医が常勤しなくとも対応できるうえ、最低限の義務である月に1回の訪問などを行います。メンタルヘルスやストレスチェックを行うときや面接・面談、衛生委員会からの出席依頼、その他必要書類提出などの際に必要に応じて赴きます。 産業医は事業場ごとに契約を行う必要があります。たとえば本社と支店がある場合、それぞれ50名以上であるならば2名以上と契約する必要が発生します。 産業医の選任義務が発生したら、2週間以内に選任しなければなりません。もし違反をしてしまった場合、法律違反として罰金などが発生するため注意が必要です。

産業医が企業にできること

産業医を雇う費用は決して安くはありません。なぜ産業医を選任しなくてはいけないのでしょうか? 以前は法律で産業医の制定が義務付けられていませんでした。そのため労働環境が次第に悪化して肉体的に病を抱えてしまうだけでなく、精神的な負担やストレスを感じる人が多くなっていきました。 重篤化すると命を脅かしかねない問題にまで至った労働環境に関する問題を解決するために、産業医の資格や産業医として活躍する医師が増えたのです。 産業医を選任することで、企業側と従業員側の双方の立場から状況を判断できるようになります。医師としての立場から、職場の環境悪化に意見をすることができます。 第三者目線で物事を見ることができるため、従業員の命を守ることに繋がります。 また、労働環境が悪化すると、その状況が世間に明るみになった時、企業のイメージがガタ落ちします。ひと昔よりも皆がインターネットに触れる機会が増えたため、情報を取り入れる手段が格段に広まりました。 インターネットを使用した情報の拡散能力は、非常に大きな影響力があります。匿名で書き込むこともできるため、誰でも簡単に情報を発信できます。 労働環境が悪化した影響で何らかの問題が発生し、露見すると会社に直接影響し、経営難に陥る企業もあります。そのような問題も産業医を選任することで未然に防ぐことができるのです。

まとめ

産業医は主治医と異なり、企業と従業員の双方の立場から客観的に判断します。健康状態や精神状態に問題がないかストレスチェックなどを通して判断しますが、病気の特定や診断は行いません。 産業医は従業員の方々が快適に仕事をできるよう、衛生委員会などに参加して環境改善に取り組みます。よりよい環境を目指すのであれば、産業医の選任に力を入れ、企業にあった人選を行う必要があります。 産業医は医師免許の他に資格が必要になりますが、企業によって求めるスキルが異なります。直前にあわてて選任してしまうと、双方の要望のすり合わせがうまくいかず、トラブルが発生する可能性もあるので慎重に行いましょう。
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